東京・湾岸マンション「復調気配」 防災対策に万全期す

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   東京・豊洲や有明といった湾岸エリアに建つ新築タワー・マンションが復調気配にある。東日本大震災後のライフラインの寸断や液状化現象の影響で、人気に陰りが見えた湾岸マンションだが、マンション・デベロッパーは防災対策に万全を期して挽回を図る。

   2011年11月下旬に発売を予定している野村不動産の「プラウドタワー東雲キャナルコート」のモデルルームには週末に1日約100組も人が訪れ、活況を呈している。

「液状化起きない」と徹底説明

   野村不動産によると、「プラウドタワー東雲キャナルコート」のモデルルームにはすでに2000組以上が訪れており、「評判はいいと思いますよ」と話す。物件は、東京メトロ・有楽町線の豊洲駅から徒歩11分の立地。銀座や大手町まで10分かからないこともあって、「都心に近い、利便性のよさが評価されている」とみている。訪れた人は30~40歳代が多いそうだ。

   販売価格も、平均価格帯が78平方メートルで5000万円超に設定。震災前に予定していた水準に据え置いた。

   とはいえ、防災への関心は高い。同社では通常、3室用意するモデルルームの1室を防災のための説明ブースにし、建物の構造面を含めて、丁寧に説明。液状化が起きないことを強調する。

「もともと震災直後から、震災や液状化に対するマンション(建物)自体への評価は下がることはありませんでした。(液状化が)懸念されているのはマンション周辺で、敷地内の地盤調査を徹底し、地盤改良などの液状化防止に万全を期しました」(広報部)

「プラウドタワー東雲が今後の試金石になる」

   野村不動産の「プラウドタワー東雲キャナルコート」は、当初ゴールデンウイークに発売というスケジュールを、震災の影響でほぼ半年遅らせた。

   不動産調査の東京カンテイ市場調査部の中山登志朗・上席主任研究員は、「(野村不動産は)この間、消費者が気にしている安心、安全のために、打てる手のすべて打っています。いわば、震災仕様にバージョンアップしたわけです」と話し、「売るための戦略がしっかりできていた」と評価する。

   さらに、震災発生後の「帰宅難民」の経験から、買い手に「災害時も職・住接近」であるべきという考え方が強まったことで、都心に近い湾岸エリアは再び注目されていて、都心マンションの価格面からみても、「湾岸エリアの物件が手ごろなこともある」(中山氏)という。

   「売れるための要素は整っています」という中山氏。ただ、湾岸エリアのマンション人気が回復するかどうかは、「『プラウドタワー東雲』が試金石になるでしょう。これが売れないようでは、(湾岸物件は)かなり減退していることになります」とみている。

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