スマートフォンの新しいモデルが次々に登場するなかで、従来型の携帯電話から乗り換えようか迷う人が見られる。興味はあるが、機種変更してどんなメリットが得られるかが今ひとつ理解できないという。
一種のブームとなっているスマートフォンだが、「料金が高額そう」「操作が難しいのでは」とのマイナスイメージもあるようだ。
データ通信は高くなるが端末代は安いケースも
国内市場では、従来型の携帯電話からスマートフォンへの移行が着実に進んでいる。調査会社MM総研が2011年10月27日に発表した、2011年上期の国内携帯電話端末の総出荷台数は2028万台で、うちスマートフォンが1004万台と全体の49.5%に上った。下期では従来型携帯を追い抜きそうな勢いだ。主要携帯電話メーカーは軒並み、秋冬モデルの主軸にスマートフォンを据えている。
それでも「スマートフォン購入に踏み切れない」との声が上がっている。ポータルサイト「goo」は、その理由をランキングにまとめて公表した。1位は「月額利用料が高そう」、2位は「本体価格が高そう」と費用関連が占めた。3位は「電池のもちが悪そう」で、4、5位は片手操作や文字入力が難しそう、と操作面での不安が理由に挙げられている。
月額利用料は、確かにスマートフォンが高額になる傾向にある。原因はデータ通信料金だ。インターネットでウェブサイトを閲覧する際、パソコンと同様にフルブラウザのため、簡易版ともいえる「ケータイサイト」と比べて格段にデータ量が増大する。そのため「パケット定額プラン」の加入が求められる。例えばNTTドコモの場合は、月額一定で5460円に設定している。従量課金型で、月額390円からスタートし上限5985円というプランもあるが、モバイル通信分野に詳しい武蔵野学院大学准教授の木暮祐一氏によると、「数日で上限金額に達する」。一方、従来型携帯場合は、ドコモの「iモード」のパケット定額制で上限4410円。しかも相対的にデータ通信量が少ないのでパケット量も抑えやすく、使い方によっては支払い額の低減につなげられる。
一方、端末料金は必ずしもスマートフォンが高いわけではない。例えば米アップルの「アイフォーン(iPhone)4S」。ソフトバンクモバイルの料金プランを見ると、2年契約を基本に割引が適用されるため、16ギガバイトモデルは本体が実質無料だ。このように、料金プランとの組み合わせ方によっては、スマートフォンの方が従来型携帯よりも、毎月の支払い額が安くなるケースもある。