「多くの情報を引き出せると思った」
相次ぐ批判について、寺澤有さんは、浄化水を飲むよう要求した理由についてこう説明する。
「低濃度と言いますが、どんな水なのかよく分かりません。飲むよう求めることで、なるべく多くの情報を引き出せるのではないかと思いました。逆に言うと、園田政務官が『飲む』と言ったことは、すごいチャンスになるわけです。つまり、体に悪く危ないということが分かり、飲まない方がいいという話になるのではないかということです。そのことを浮き彫りにしたかったため、敢えて質問しました」
東電の2011年10月25日の会見では、浄化水には、1リットル当たり2600ベクレルの放射性物質トリチウムが含まれていたと明かされた。これは、WHOの飲料水基準1万ベクレルを下回っているとされたが、EUが注意レベルとしている100ベクレルを超えており、寺澤さんは散水も難しいと主張。「飲むように言わないと、トリチウムは発表しなかったはず。その点で、意義があったと思っています」と語った。
しかし、結果的にトリチウムを含んだ水を園田康博政務官に飲ませてしまったことになる。この点については、「政務官は、役人から安全と言われ、うのみにしてしまったのでは。普通なら飲めないとなるのに、それは政務官の責任だと思います」としている。
コップの浄化水の残りは、分けてもらっており、これから分析してもらうという。ただ、「危ないですので、僕は飲みません」と言っている。
政務官の事務所では、賛否両論の声を聞いているとしながらも、要求に応えないと会見が進まなかったなどと説明する。
「フリーの方に危険だと言われ続けるより、立ち位置をはっきりさせた方がよいと考えました。不毛な話に一区切りつけるために応じたということです。『危険だから飲めないはず』と主張されたとしたら、それは悲しいことだと思います」