雑誌報道は「影響なし」か
市長選の構図は、地域政党「大阪維新の会」を率いる橋下氏と、民主と自民の市議団が推薦する平松氏の対決が軸となっている。無党派層の動きはどうか。
読売調査によると、無党派層は「全体の6割」を占める。市長選では橋下氏と平松氏が無党派層の「各3割以上」を分け合っている。
両調査について、少し詳しく見比べても、やはり「風向き」はよく分からない。
元参院議員、元衆院議員(新進党など)で、府内在住の政治評論家、中村鋭一氏(81)にきいてみた。中村氏は、元朝日放送(大阪市)アナウンサーで、「日本初のパーソナリティ」としても知られる。
中村氏によると、あくまで感触としては、朝日調査のように「ダブルスコアで橋下氏先行」ほどには差は開いていない。さりとて読売調査の「横一線」にも違和感があり、「現状では橋下氏の方が話題性もあり、ややリードしているのでは」と分析する。
「新潮45」や週刊文春などの「ネガティブ記事」の影響については、今後も「ない」との見立てだ。
「大阪の人間は、ああいう雑誌記事には振り回されません」
いずれにせよ、市長選の「風向き」はともかく、「風速」の方は、少なくとも「突風」ではないようだ。
「橋下氏が掲げる大阪都構想へは賛成だが、橋下氏の進め方は性急すぎる」といった声がある一方、「都構想は反対だが、橋下氏の姿勢は支持したい」という意見の人もおり、「ねじれ」現象もみられる。中村氏は「迷っている人が多いのではないか」という。
市長選ではほかに、前共産市議の渡司考一氏が立候補を表明している。