財務省の全国財務局長会議をまとめた2011年7~9月の管内経済情勢報告によると、全国11の地域のうち、東日本大震災で被災した東北を含む8地域で景気判断を上方修正した。下方修正した地域はなかった。同省が10月31日に発表した。
全財務局の景気判断は、地域間の格差を指摘しつつ「厳しい状況にあるなか、全体として持ち直しの動きとなっている」と総括。4~6月期から2期連続で引き上げた。
サプライチェーンの復旧を受けて「力強く持ち直している」(東海)、「フル生産体制が継続している」(東北)など、生産は5地域での上方修正となったほか、震災の被害を受けた東北財務局からは「癒やし、きずな、お礼のための消費需要が高まっている」との報告もあった。ただ、雇用のミスマッチで「(被災した)離職者の再就職が進んでいない」との指摘もあり、厳しい状況はなお続いている。
また、欧州の債務不安を受けた海外景気の減速懸念や、外国為替市場での円相場の高止まりを受け「下振れするリスクがある」との指摘もあった。