濃度4%上回っても「ただちに爆発するわけではない」
この新システム稼働による格納容器内の「空気の流れの変化」が、今回の水素濃度上昇に関係していると、東電ではみているようだ。
同システムは、格納容器から配管へ出るガス(水素など)について、処理装置を通すことで「放射性物質を99%除去」した上で屋外に放出する。
稼働前は、窒素注入により格納容器から水素などを「押し出していた」が、稼働後は、新設配管の方へ「機械的に吸い出す」ことになった。このため、「空気の流れが変わった」ようだ。
では、なぜ「流れ」が変わると水素濃度に変化が出るのか。ちなみに、濃度を測定している地点は、格納容器内ではなく、容器から出た気体を通す配管の途中のポイントだ。
格納容器内の構造は複雑なため、内部の水素濃度は均一ではない。このため、東電では、新システムの稼働に伴う空気の流れの変化により、濃度数値がある程度変化する可能性を「想定」していた、というわけだ。
さらに、水素濃度が4%を超えたとしても、「ただちに爆発するわけではない」。「一定濃度以上の酸素」などの条件が重なる必要があるが、「圧力は一定し、外部から酸素が入ってくる要因もなく、火元もない」として、「爆発を心配するレベルではない」と繰り返した。
水素の発生量自体が増えているのでは、との疑問点については、少なくとも、そうした変化をうかがわせる「原子炉内の温度などの数値の変化」はみられないと説明した。もっとも、あくまで「詳しい原因は調査中」だそうだ。