東証は異例の「要請書」を発表
一方、東京証券取引所ができることはそれほど多くない。市場を運営しているとはいえ、東証に調査権限はなく、たとえばインサイダー取引の場合に、東証が証券監視委に取引状況などを報告。監視委が調査に入ることはあるが、オリンパスのような情報開示などのケースではそういった連携もない。
ただ情報開示基準があり、会社は投資家の投資判断に影響を及ぼすことがあった場合、適時開示することになっていて、結果的にそれに反することがあれば、銘柄を監理ポストに移す制度がある。それでも、オリンパスは情報開示を行っているので、「開示基準違反には当たらないのではないか」(前出の証券関係者)との見方があり、現状ではなにもできないようだ。
東証は10月26日、斉藤惇社長と、東京証券取引所自主規制法人の林正和理事長との連名で「上場会社を巡る最近の諸問題を受けた要請」を公表するなど、「円滑な価格形成と市場秩序の維持のために、できることはすべてやる。危機感をもって十分な対応をしていく」と話している。