光学機器メーカーのオリンパスは、2011年10月26日付で菊川剛会長兼社長が取締役に降格し、高山修一専務執行役員が社長に昇格する人事を発表した。
同社はマイケル・ウッドフォード前社長を、14日に突然解任。菊川氏が社長に復帰したが、ウッドフォード氏が過去の企業買収をめぐる不明朗な支出を指摘し、菊川氏に辞任を要求するなど、経営が混乱していた。株式市場では株価が14日以降半値に落ち込んでおり、社長交代はそれを収めるためとみられる。
買収めぐる経営混乱は「第三者委員会で明確にする」
オリンパスは26日夕に社長交代の記者会見を開いた。しかし、そこには菊川前会長兼社長の姿はなかった。
同日付で新社長に就任した高山氏は社長就任の経緯を、社外取締役の強い要請を受けたことが背景にあると説明。また、「菊川氏は、世間から(経営混乱への責任)の指摘や株価急落の責任などを考慮して判断されたと思う」と、菊川前会長が辞任を判断したとも語った。
ただ、菊川氏は代表権を返上するが、取締役にとどまる。また、記者会見の会場に姿がないことについて、記者から「菊川氏自らが説明責任を果たさないことが株価の下落につながっているのではないか」などと質問が飛ぶと、高山社長は、ウッドフォード氏が指摘した過去の企業買収をめぐる不明朗な支出について調査、究明する「第三者委員会」の設置を含め、「これからはわたしが判断すること」と繰り返すばかり。
「早期に第三者委員会を立ち上げ、信頼回復を最優先する」考えを示した。