「お母さん達が、パニックに陥っていると聞き、心を痛めています」
また、総論として、仮に被ばく後数ヶ月で甲状腺の病気が発症したとすれば、相当量の放射性ヨウ素の被ばくが起きていることになる。だが、これまでに行われた高放射線量の被ばくが疑われる子どもに対する調査でも、ひとりも甲状腺機能に変化を起こすような高線量の被ばくは確認されていない。このことから、
「今回の場合は、検査値のわずかな逸脱と放射線被ばくとを結びつけて考慮すべき積極的な理由は、ないものと考えます」
と結論づけている。
調査を行ったJCFでも、10月13日に、
「一部のマスコミで、あたかも甲状腺機能異常があったかのような報道がありました。それによって、福島のお母さん達が、パニックに陥っていると聞き、心を痛めています」
との見解をウェブサイトに発表。前出の日本小児内分泌学会の声明文にもリンクを張っている。その上で、
「いつ健診を受けられるかもわからず不安を募らせているお母さん達の気持ちに添いたいと思っています。今回は、夏休み保養に来た子ども達が対象でしたが、より多くの子ども達が地元でより早い時期に健診を受けられようにしていきたいと検討しています」
と、今検診の範囲を広げていきたい考えだ。