東証出来高低迷で兜町嘆き節 収入下支えしたのは東電株という皮肉

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   証券界では、欧州債務危機による株安もさることながら、このところの株取引での売買代金、出来高(売買が成立した株数)の低さに「いつまでこんな状態が続くのか」との嘆き節が漏れる。

   取引される株の数やお金が少ないと、株価上昇のエネルギーも得られないほか、得られる手数料も減るためだ。リスク資産にマネーが戻るのはいつか、見えない状況が続いている。

8日連続1兆円を下回る

   「下がらず、上がらず、出来高できず」。2011年10月21日、ある大手証券会社の幹部はこう言ってため息をついた。この日も日経平均株価の値動きは鈍く、高値は8700円49銭で、安値は8652円26銭。1日の値幅はわずか48円23銭にとどまった。日経平均株価の値幅が100円に届かないのは21日まで11営業日連続で、2011年1月以来の長さとなった。

   値動きの鈍さは売買代金、出来高にも影響する。21日の東証1部の売買代金は、7755億円。商いが薄い年末年始を除くと2003年8月以来、8年ぶりの少なさだ。21日までの1週間はずっと9000億円を割り続けた。

   21日の東証1部 出来高も13億1969万株にとどまった。「活況」の目安は「売買代金2兆円、出来高20億株」とされており、取引の低調ぶりを示している。

   ちなみに21日の個別の売買代金トップは原発事故で先行きが危ぶまれる東京電力の552億円、2位は社長解任騒動に揺れる509億円のオリンパス。3位はちょっと離れて136億円の三井物産が続く。

   この1、2位は兜町で「マネーゲーム銘柄」と呼ばれる荒っぽい値動きをする銘柄で、業績や成長性などを評価して投資されるような、まともな取引とはとらえられていない。つまり商いが低調な中で、取引の14%を「まともでない取引」が占める異様な相場ともなっているわけだ。

   10月26日の日経平均株価の終値は8748円47銭で、前日比13円84銭安と下げた。売買代金は東証1部の概算で9221億円。1兆円を下回るのはこれで8日連続だ。出来高は14億6096万株だった。

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