放射性物質の濃度は落とさない
ただし、10月23日午前の東電の会見では、広報部の栗田隆史課長が
「海水浴場の基準をクリアできるレベル」
と放射線量は低いと強調しながらも、
「(放射)線量は低いが、表(地表)に出ているものなので、大腸菌などの処理が必要」
「飲料用として作っている訳ではないので、私どもとしては飲む予定はない」
と説明。東電側は、現時点では飲む予定はないという。
それでも園田氏が汚染水を飲む決意は固く、10月24日夕方の会見では、水素の一種である「トリチウム」が微量検出されていることを明らかにしながらも、
「(飲料水にするための浄化のプロセスで)今の放射線の濃度を落としたのでは、皆さん方にお約束していることとは少し違うのではないかと思う。今タンクの中に入れているようなので、雑菌は取り除いて、放射性物質の状況だけそのままの成分にしたまま、ここに持ってくるように指示している」
と発言。また、
「その水を皆さんに試料提供という形で、発電所の状況を情報提供しているのと同様に、 その水を希望者には渡して、皆さん方できちっと確認出来る方法はとれないかと考えている」
と、汚染水を報道陣に配布することも検討している。
東電の松本純一原子力・立地本部長代理によると、汚染水はすでに10月22日に採取が完了しており、
「現在、分析機関で、飲める水かどうか確認している」
という。採取現場には東電関係者以外は立ち会っていないが、園田氏は
「インチキはさせませんので、私の責任でしっかり持ってこさせたい」
とも発言。汚染水を飲む際に、採取の様子を収録した動画をノーカットで公開することを約束した。