韓国で開催されたミスコンテストで出場者の英国人女性がセクハラを受けたと訴え、韓国で「国際的な恥さらし」と波紋が広がっている。
2011年10月初旬から中旬にかけて韓国、ソウルなどで「ミスアジアパシフィックワールド」が開催され、世界各国から約50人が出場した。
「勝つためには何をすべきか分かっているだろう」
そのうちの一人、ウェールズ代表として出場した英国人女性が大会途中に帰国。その後、英BBCやテレグラフ紙などに対し、韓国の主催者から上着を脱がせられそうになったり、写真撮影のときに体を触られたりするなどのセクハラを受けたと話した。
さらに、大会中「勝つためには何をすべきか分かっているだろう」と、あからさまに性接待を持ちかけられたほか、ベッドのない宿舎に入れられ、食事も一日一回しか与えられなかった。こうした事態について地元警察に訴えたが、主催者側が目の前で警察に賄賂を渡して買収したという。
韓国の芸能界では、「性上納」が以前から存在すると言われている。2009年に人気女優チャン・ジャヨンさんが自殺した際も、性接待を強要されたのが原因だと言われているが、外国人が被害を訴えるのは異例だ。
英国での報道を受け、韓国メディアも大きく報じていて、それによると、主催者側のチェ代表は宿舎の問題については、「各地方組織委員会のホテル予約などで至らない点があった」と認め、謝罪した。
主催者「韓国的なあいさつが誤解された」と説明
一方セクハラについては「参加者を案内した組織委関係者の中には英語をうまく話せる人がいなかった。通訳を通して対話が行われたのに、そういうことが起こる状況ではない」と否定。
しかし、「外国人が韓国的なあいさつなどを敏感に受け止めた部分もある」と、文化の違いが誤解を生んだ可能性があると説明した。賄賂については、警察当局は賄賂ではなく、名刺を受けとったとしているという。
中央日報は、2011年10月23日に、「国に恥をかかせたセクハラ美人コンテスト」という見出しで社説を掲載した。女性の主張が真実なら「明白な犯罪であるうえ、国際的な恥さらしだ」とし、主催者側の説明についても「韓国では外国人女性が不快に思うセクハラが容認されているように弁解する点も納得しがたい」と糾弾。この女性だけでなく、カナダ人の出場者も体を触られたと訴えているという。
韓国のネットには「恥ずかしくてたまらない」「映画の中でなく実際にこんなことがあるのか」「だから韓国はダメなんだ」といった書き込みが寄せられた。
韓国警察も動き出し、大会関係者や賄賂を受け取った疑惑のある警察官に調査を行っているほか、英国にいる女性にはメールで調査することを検討しているという。ただ、大会主催者側は女性に対し、大会に最後まで参加するという契約を違反したとして、損害賠償を求める訴訟を行う方針だとしている。