ポリオ「生ワクチン」か「不活性化ワクチン」か 小宮山厚生相と黒岩神奈川知事が対立

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国内メーカーの国産ワクチン開発を待つ?

   そこに降ってわいたのが神奈川県の方針。14日、不活化ワクチンを県独自で使用することを決めたのだ。むろん、全国初の取り組み。これに対し小宮山厚生労働相は18日の閣議後記者会見で、「未承認ワクチンの接種は、健康被害の救済制度がない。予防接種行政上、望ましくない」と批判。さらに黒岩知事は同日、「国がなんと言おうと、神奈川県は不活化ワクチンを断固実行する」と応酬。今後、他の自治体が神奈川に追随するようなら、国の生ワクチン継続が実質的に大きく揺らぐ可能性もある。

   国は「結果的に全国的に生ワクチンを控える人が出てきて、免疫を持たない人が増加するおそれがある。(不活化ワクチンの承認までは)生ワクチンを接種してほしい」(小宮山厚労相)と呼びかける。確かに、接種率が下がればポリオが流行する恐れがあると、専門家も懸念する。

   しかし、患者団体などはこれまでも、「国が不活化ワクチンを輸入すべきだ」と訴えてきた。同省によると、現在、国内4社が、ジフテリアなどの3種混合ワクチンに不活化ワクチンも加えた国産ワクチンを開発中で、2012年度中にも承認される見通しという。医薬品の安全に詳しいジャーナリストは「厚労省は国内メーカーの不活化ワクチン開発が進まなかったから生ワクチンに固執してきた。2013年春導入の方針は国内メーカーの生産体制が整うのを待つためとも考えられ、製薬産業の利益を優先していると言われかねない」と指摘する。

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