被災地派遣の幹部自衛官、相次ぎ自殺 「丁寧なメンタルケアが必要」の声

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「救助で疲れきっているのに、訓練は普段どおり」

   『自衛隊という密室』『日本を滅ぼす電力腐敗』などの著書があるジャーナリスト、三宅勝久さんは個々の原因はさまざまだとしつつ、自衛隊の「体質」の問題を指摘する。

「自衛隊では旧日本軍と同じで、『隊員はいくらでも代わりがいる』と思っているところがある。たとえば今回の震災で捜索に当たった隊員は、多くの遺体などを目にして相当なショックを受けたはず。十分な休息が必要なのに、帰還した隊員たちは普段通りの厳しい訓練を続けている。すでに訓練のための予算が出ているからです。一方で上層部は震災救助の実績などをもとに、さらなる予算を取ることしか考えていない」

   さらに「男社会」の自衛隊では「弱音を吐けない」「できないとは言えない」雰囲気が強く、酷いいじめに遭ったり理不尽な仕事を押し付けられたりしても、そのまま抱え込んでしまい自殺にいたるケースが後を断たないという。「外部委託のはずのカウンセリングも実際には自衛隊OBが運営しているなど、外からのチェックが機能していない」

   三宅さんは「震災による精神的な影響は、これから必ず出てくる」として、今回の自殺と被災地での任務との関係については、あらゆる可能性を検証する必要があると強調する。

「過労などが原因となれば責任問題に発展するから、もちろん自衛隊はやりたくない。しかしさらなる被害者を出すわけにはいけない。問題は自衛隊の閉鎖性。機密以外の情報は開示して、隊外の専門家が分析できる体制が必要です。これは国民全体の問題です」
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