ホルモンが十分下がらないとワンステージができないぐらい疲労感がたまる
「甲状腺ホルモンが過剰に分泌されるので、新陳代謝がよくなってじっとしていても運動している状態になります。ですから、体が疲れてしまって、場合によっては心不全など命に関わる事態にもなります。薬、除去手術、放射線による治療があり、いずれにしても薬を飲み続けてホルモンの状態を下げなければなりません。完治するのは難しいですが、そうすれば、一般人と同じ生活ができるようになります」
杉野公則副院長によると、ホルモンの状態が落ち着くまでは、3~4か月かかるという。一般人が仕事に復帰できるのは1年ぐらい後で、激務の歌手ならもっとかかるものの、2年で復帰できないことはないとする。
「声を出す神経は、甲状腺の後ろに走っています。手術には気を遣いますが、声の神経には影響が出ないので、体力が回復すれば歌うことはできます。レコーディングなら、休み休みやれば、十分可能でしょう」
とはいえ、コンサートは、ホルモンが十分下がらないとワンステージができないぐらい疲労感がたまり、途中で休まなければ難しい可能性があるという。
こうしたことは、今後の活動における懸念の1つになりそうだ。絢香さんは、夫の水嶋ヒロさんとともに大手の研音を辞めており、個人事務所で活動をスタートさせる。そんな中で、果たして独力でコンサートをこなせるのかという問題があるからだ。
また、研音を辞めるときに、一悶着があったとされる。それだけに、自主レーベルを設立して、果たして芸能界でどこまで受け入れてもらえるのかも不透明だ。ヒロさんは、仕事をセーブして支えているというが、俳優や小説家などの活動もやや迷走ぎみで、二人三脚が軌道に乗るにはまだクリアすべきことは多そうだ。