2015年度は「10年度の3倍以上」予測も
アマゾンの日本市場参入は、米国のような「アマゾン圧勝」の状態を生み出すのだろうか。日本では現在、各社サイトの規格乱立による「使い勝手の悪さ」や「コンテンツの少なさ」が目立ち、「マスコミが2010年は電子書籍元年と騒いだ割には浸透していない」(某大手出版社関係者)状態だ。
同総合研究所は、日本市場規模(小売り価格)について、2010年度は09年度比13.2%増の約650億円で、15年度には10年度の3倍以上、2000億円になると予測している。
今回のアマゾン参入のニュースについては、「11年末から12年前半あたりに参入があるだろう」との予測を折り込んでおり、15年度の予測数字は今のところ変更の予定はないという。
アマゾンの市場占有率については、品揃えの規模や価格の動向が不透明なため、まだ分からないが、「参入が市場規模を拡大することは間違いない」という。
価格決定権は、米国のようにアマゾン主導になるのか、それとも日本の出版社と妥協点を見いだすのか。
電子書籍にかかわる出版関係のある男性は、「米国流をそのまま、というわけにはいかないだろう」とみる。日本の商・流通習慣などを踏まえ、「日本の出版社側へある程度配慮した形」に落ち着くのではないか、という。
参加する出版社が少なければ、電子化できる書籍の数も少なくなり、サイトの魅力が減じる可能性があるからだ。一方、十分な低価格化が進まなければ、他の先行サイトとの競争力が鈍ることにもなる。
「詰め」の段階と報じられるアマゾンと日本の大手出版社との価格設定交渉は、どんな形に落ち着くのだろうか。