作品が褒められても自分自身の虚無は埋まらない
「もしドラ」を読んだ人が、ドラッカーはすごい、みなみちゃんはすごい、と思う事はあっても、
「岩崎夏海の言葉は心に響くなあ、と思う人はそんなにいないと思います」
それは作家の宿命のようなものであり、小島さんの経験上、自分の本が出てそれが絶賛されたとしても、自分の心の中の虚無感は消えないことがわかっている、と書いた。つまり、結果的に評価されたり褒められるのは「作品」であり、自分自身ではない。だから心の虚無は埋まらない。
もし、心の虚無感を埋めたいと思うなら、一億人に向けた文章を書くよりも、自分の好きな相手や言葉を聞いてもらいたい身近な一人に書くべきであり、自分の大切な人を作り、その人を愛して、そして愛されるという方法でしか心の虚無は埋まらない、と説明している。