直近のピークだった2008年のレベルには届かず
気になる震災と円高については、これらの影響が実際のボーナスに反映されるのにはタイムラグがあるという。関係者によると「冬のボーナスは震災前の業績を基に春闘で労使が妥結しているため、その後の震災や円高の影響は基本的に反映されにくい」という。
ただし、震災や円高で業績が急速に悪化した企業はその限りでなく、年末にかけて経営側が再協議を労組側に呼びかける可能性もあるというから、注意が必要だ。
仮に再協議を行わず、このまま春闘の方針通りに今冬のボーナスを支給した場合も、震災や円高で業績が悪化した企業は、2012年の春闘でボーナスの削減を提案してくる可能性が高いという。
冬のボーナスは2008年秋のリーマン・ショックを受け、2009年に75万5628円(同15.01%減)と大幅に落ち込んだが、2010年から回復に転じた。しかし、直近のピークだった2008年の90万4885円(第1回集計)のレベルには今回も届かず、リーマン・ ショック以降の景気低迷の傷の深さを伺わせた。