オリンパス側「法的措置を検討したい」とコメント
ウッドフォード前社長の解任理由について、オリンパスの菊川会長は「独断専横的な経営で、他の経営陣と経営の方向性・手法に大きな乖離が生じた」と説明。同日開かれた臨時取締役会では全員一致でウッドフォード氏の解任を決めた、としている。
一方、ウッドフォード氏は朝日新聞(10月19日付朝刊)の取材に、「過去の企業合併・買収(M&A)などで不明朗な支出があり、菊川剛会長らの辞任を求めたところ解任された」と述べ、食い違いをみせる。
月刊誌「FACTA」にオリンパスの経営やM&Aをめぐる記事が掲載されたことをきっかけに、9月半ばから複数回、菊川会長と森久志副社長に手紙で事実関係を照会したという。さらに海外の会計事務所(プライスウォーターハウスクーパース、PwC)に調査を依頼し、「(M&Aについて)不適切な行為の可能性を排除できない」との中間報告を受けた、と経緯を語った。さらに、PwCの調査報告書を英捜査当局に提出。日本当局にも説明するという。
オリンパスは19日、ウッドフォード氏が菊川会長らに辞任を求めたことを認めたうえで、「辞任要求が直接の理由ではない」と反論。同氏に対して、「現在も取締役という立場にありながら、経営の混乱を招き、企業価値を損ねたことは遺憾であり、必要に応じて法的措置を検討したい」とのコメントを発表した。
ただ、買収問題には「会計処理は適切で、開示が必要な情報はすべて開示しています」と繰り返すだけだ。