銀行や生保などの金融機関も株を大量に保有
企業は原則として、決算期末の保有株の時価が帳簿上の価格(簿価)を50%以上下回った時には評価損を計上しなければならないルールがある。損と言っても実際に資金が会社から出て行くわけではないが、赤字計上などとなれば財務面のダメージは大きく、企業行動が慎重になるとされている。
銀行や生保などの金融機関も株を大量に保有しており、影響は出た。生保では三井生命や住友生命、朝日生命、富国生命が含み損に陥った模様。銀行の株式減損処理額は大手5グループ合計で約2500億円に上ると大和証券キャピタル・マーケッツが試算している。
ただ、金融機関はやはり大量保有している日本国債などの債券の値上がり(利回りは低下)で株価の下落を補っているようだ。しかし、株安に歯止め がかかるかどうかは不透明で、ゴールドマン・サックス証券は「TOPIX(東証株価指数)がバブル崩壊後の安値を更新する可能性がある」と予想する。そんなことになれば、保有株下落から銀行の貸し出し姿勢が慎重になり、経済の収縮を招いてしまう事になりかねない。