株安、評価損続出が企業に暗い影 マインド悪化、設備投資意欲減退…

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   世界的な株安の連鎖が、日本企業の業績回復に足かせとなっている。2011年9月末で締める決算に計上するため各社が発表した、保有する株式などの評価損の合計は、既に2000億円を超えている。株安による財務面のダメージは企業マインドを悪化させ、ひいては設備投資意欲が鈍るなどして、景気に悪影響を与える。

   評価損の金額が大きいのは、810億円のJFEホールディングスと、797億円の住友金属工業の鉄鋼2社だ。JFEの場合は、海外の M&A(企業の合併・買収)がもたらしたもので、インドの鉄鋼大手「JSWスチール」の株価下落の影響が大半。

住金は提携先の新日本製鉄の株価下落が響く

   住金は資本提携先の新日本製鉄などの株価下落が響いた。住金は9月中間決算の最終(当期)損益は従来予想が150億円の黒字だが、赤字に陥る可能性が高いと見られている。

   日本製紙グループ本社は海外投資先が影響した。出資先の中国段ボール原紙メーカー「理文造紙」の株価下落により、持ち分法投資損失250億円 が発生した。このため最終(当期)損益も従来予想(130億円の赤字)から赤字幅が拡大しそうだ。

   このほか、大きいところではキリンホールディングスが223億円の評価損を計上する。欧州債務危機もあって金融株の下げがきついなか、保有する三菱UFJフィナンシャル・グループ株の下落が招いた模様だ。

   商船三井の評価損は80億円。本業の海運事業の不調もあって、9月中間決算の最終損益は従来予想の10億円の黒字から170億円の赤字に転落する見込みとなった。

   11年9月末の日経平均株価の終値は8700円29銭。3月末の9755円10銭から1054円81銭(10.8%)も下落した。輸出産業や銀行、証券などは年初来安値の更新が相次いだ。

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