米ニューヨークのウォール街で、格差の是正や失業問題の解決を訴えて連日続いている抗議活動が、東京にも広がった。都心の日比谷や六本木で、市民らが参加してデモ行進が行われたのだ。
この日は、米国の抗議活動に賛同する世界中の人たちが、各地でデモを開催。日本の場合は「原発反対」という独自の主張も加わった。
「東京を占拠せよ」という横断幕
「原発いらない、福島返せ」
2011年10月15日正午過ぎ、東京・千代田区の日比谷公園を出発したデモ隊が声をあげた。雨模様のため、ビニール傘をさしたり雨がっぱを着たりした人の姿も見られる。
米ニューヨーク中心部で9月中旬から続く、若者を中心とした抗議活動は、米国にとどまらず海外にも拡大した。東京でも、ウォール街デモの趣旨に賛同した人たちが集結。一連の活動で使われている「オキュパイ(占拠)」という合言葉を用いて、「オキュパイ・トウキョウ(東京を占拠せよ)」という横断幕を掲げて行進した。外国人も複数、隊列に混じっている。
もともとウォール街の抗議活動は、格差や貧困、失業といった経済問題が深刻化する米社会において、1パーセントの富裕層に対して「私たちは99%」と不公平を正すよう訴える人たちが決起したものだ。都内のデモも「雇用を守れ」「産業を守れ」といったコールが響く。