希望者全員が65歳まで働ける企業の割合は全体の48%にとどまることが、厚生労働省が2011年10月11日にまとめた「2011年の高齢者雇用に関する調査」でわかった。前年と比べると1.7ポイント上昇した。
31人以上の社員が働く13万8000社が回答した。この1年間で定年になった社員は43万5000人。このうち、企業に再雇用されたのは32万人(74%)。25%の10万7000人が再雇用を希望せずに退職したが、本人が希望したのに再雇用されなかった人も7600人(2%)いた。
厚労省は定年を過ぎた60歳以上の人にも働く場を確保するため、06年度から企業に65歳までの雇用確保を義務付けている。ただ、労使協定などを結べば再雇用ルールを独自で定められることになっている。このため、65歳まで希望者全員が働ける企業は全体の半分に届かない。企業規模でみると、中小企業が51%、大企業が24%となっている。
2013年度以降、厚生年金の支給開始年齢は60歳から65歳に段階的に引き上げられる。さらなる引き上げも検討されているが、高齢者雇用の拡大は容易ではなく「年金も仕事もない」というケースが増える恐れがある。