「要注意先」債権、3月末で44兆円超 金融円滑化法で悪化

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   銀行などの貸出債権のうち、不良債権になる恐れのある「要注意先」の債権が、2011年3月末時点で44兆円規模にのぼることが日本銀行の調べでわかった。

   日本銀行によると、要注意先債権44兆4000億円は、貸出債権全体の9.7%を占める。不良債権比率は10年度で、大手行が1.8%、地域銀行が3.2%と09年度に比べて減少したものの、将来の不良債権になりかねない要注意先債権は中小企業向け取引の多い地域銀行を中心に増える傾向にある。

   背景には、08年11月に金融庁が導入した「中小企業向け融資の貸出条件緩和が円滑に行われるための措置」や、09年12月に施行された金融円滑化法によって、一定の条件を満たす債務者に対する貸出は、条件変更後当初1年間は貸出条件緩和債権としない取り扱いが拡充されたため、「破綻懸念先債権の比率を抑える方向に作用している」(日銀)とみている。

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