東日本大震災から10月11日でまる7か月。福島第一原発事故の追い討ちで復旧・復興作業が難航している福島県では、なお6万人近くが避難生活を強いられている。
9日には、18歳以下の子ども約36万人を対象にした甲状腺超音波検査が福島市の福島医大付属病院で始まった。生涯にわたってチェックするという前例のない大規模な調査となる。結果は個別に郵送で通知、異常があれば詳細検査をする。2年ごとの検査で、20歳以降も5年ごとに検査を継続する。
約200万人の全福島県民を対象にした「福島県民健康管理調査」の一環。自己記入式の問診票を送付して3月11日以後の行動を記録し、個人の被ばく線量を推計する。子どもの甲状腺検査のほか、全ての妊産婦に問診票調査を実施。避難区域に指定された地域の住民には健康診断に加えて、避難生活が精神面や生活習慣に与えた影響も調べる。
のどにある甲状腺には放射性ヨウ素がたまりやすく、チェルノブイリ原発事故では周辺に住む子どもの甲状腺がんが多発した。