神奈川県黒岩知事、選挙公約「忘れてほしい」 「太陽光で脱原発」トーンダウン

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公約はメッセージ。「正確さよりもわかりやすさ」

   黒岩知事は2011年10月7日の予算委員会で、新構想と公約との兼ね合いについて、「200万戸分は計画停電を起こさないために打ち出した数字で、精査したものではない」と釈明し、「(選挙中は)メッセージ性のために正確さよりもわかりやすさを考えた」という。

   委員会後には記者団に、「かながわスマートエネルギー構想を新たに出したことで、『4年間で200万戸分』は忘れてほしい。ただ、風力や水力、地熱などを合わせて、(200万戸分を)目指していく思いは変わらない」と理解を求めた。

   「4年200万戸」の目標は、短期決戦だった知事選直前の限られた時間でまとめた公約だけに無理があったことは否めない。太陽光発電への注目度こそ高まったものの、見通しは甘かったと言わざるを得ない。

   また、選挙公約時には「自己負担なしで太陽光パネルを設置する」ことも掲げていたが、そのことには口をつぐんだまま。各家庭にとって200万円前後の負担がなくなるというのだから、この訴求効果は大きかったとみられる。

   議会側は「修正はやむを得ず、現実的」との見方が強い。神奈川県の2009年度の消費電力量における再生可能エネルギーの割合は2.3%程度しかない。「14年度に6%、20年度に20%の目標も決して楽ではない」と寛大に受けとめている。

   10月6日付の神奈川新聞の社説は「撤回し理解を求めては」と提案。「忘れてほしい」発言はその翌日のことだった。知事の口から「撤回」の言葉は聞かれないが、やはり事実上の公約撤回なのだろう。

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