2011年のノーベル平和賞を、アフリカ・リベリアのエレン・サーリーフ大統領と平和運動家リーマ・ボウイーさん、中東イエメンの反政府活動家タワックル・カルマンさんの3人の女性が受賞した。ノルウェーのノーベル賞委員会が10月7日に発表した。
同委員会のトールビョルン・ヤーグラン委員長は記者会見で、「民主主義と平和の構築のためには、社会で女性が男性と同様の影響力をもたなければ達成できない」と話し、紛争解決や民主化に非暴力で立ち向かい、大きな力を発揮した3氏の功績を称えた。
女性の受賞は2004年のケニアの環境活動家で9月末に亡くなったワンガリ・マータイさん以来。
サーリーフさん(72)は05年にアフリカで初めて民主的に選ばれた女性大統領。大統領に就任後、政府への女性登用など女性の支援に力を注ぎながら、貧困にあえぐ国家の立て直しを図った。ボウイーさん(39)は女性の参政権を訴え、宗派や民族を超えて女性を組織化した。サーリーフさんとも連携し、非暴力による民主化運動の先頭に立った。
カルマンさんは32歳での受賞。長期独裁政権が続くイエメンのジャーナリストで、NGOを創設。女性の権利や表現の自由を訴え、「アラブの春」と呼ばれる中東の民主化運動に関わってきた。