救急車で病院に搬送された民主党の小沢一郎元代表に、ツイッターで応援の声が挙がっている。ネットでは以前から小沢氏の人気が高いと言われ、小沢氏側もそれを強く訴えてきたが、本当はどうなのか。
これまでの報道をまとめると、小沢氏は2011年10月6日深夜、腰の痛みを訴えて都内の自宅から日本医科大付属病院(文京区)に救急搬送された。
「頑張れ小沢さん!田中角栄はもっとタフだったぞ!」
小沢氏はこの日、自身の政治資金管理団体「陸山会」の土地取引をめぐる事件の初公判が行われたばかり。突然の緊急入院で一時騒然となったが、診断の結果、病名は「尿管結石」だった。
命には別状のない病気なものの、ネット上には書き込みが殺到した。特にツイッターへの投稿が目立ち、
「頑張れ小沢さん!田中角栄はもっとタフだったぞ!」
「ここの所のストレスがかなりのものだったんでしょうね。大したことがなければ良いのですが。心配です」
「尿管結石に負けるな!」
と、応援したり、心配したりする呟きがかなり多い。「要するに裁判から逃げたいだけ」といった厳しい意見も出ていたが、それも霞んでしまうほどだ。
小沢氏を支持する呟きはこの日、公判後に「ニコニコ生放送」で記者会見が中継されたときもすごかった。「私も秘書も、有罪と認定されるようなことは何もしていない。この間の判決も、なんら法的な証拠もない」と強く主張した小沢氏に対しツイッターで「小沢一郎!負けるなよ!」「死ぬまで応援する」という声が多かったと、10月7日付けの朝日新聞が報じている。
小沢支持者はツイッター始めたばかりの「おじさん」?
小沢氏がネット上で人気ということは以前から言われていて、小沢氏自身もそれを訴えてきた。2010年9月に菅直人前首相と戦った民主党代表選でも、結果的には敗れたものの、ツイッターでは小沢氏が人気だった。
ITジャーナリストの井上トシユキさんは、ツイッターで小沢氏を強く支持しているのは、最近スマートフォンを手に入れた中年男性が多いと指摘する。
「スマートフォンに夢中になっているのって意外とおじさんが多いんです。そのおじさんがスマートフォンからツイッターに流入してきて、『若者に世の中の見方を教えてやる!左寄りの政治家はダメだ!これからは保守の小沢だ!』とやっている。若者はそんなに政治に興味はありませんよ。しかも、ツイッター初心者だから反応が返ってくると嬉しくてつい何度も投稿しちゃう」
確かに、ツイッター上で小沢氏を支持するアカウントを見ると、中年男性と見られるユーザーが少なくない。
また、実際には多数派でないのに、一定数のユーザーが会見中などに「小沢!小沢!」と何度も投稿すると、タイムラインが「小沢」で埋まってしまうので、結果的に小沢氏がツイッター上で人気があるように見えてしまうのでは、と井上さんは説明している。
2ちゃんねるでは応援書き込み目立たず
ちなみに、2010年の代表選時に小沢支持者が多くいたように見えた2ちゃんねるでは、今回支持したり応援したりする書き込みあまりなかった。東日本大震災で小沢氏が目立った活躍をせず、存在感が薄まってしまったのが原因と見られ、代わりに「死ぬような病気じゃないから今後の予定は変わりなく続行できます!」「一週間入院か。次の裁判結石するのだろう」といった書き込みが寄せられている。
ライブドアが2011年9月28日から10月5日にかけて行った、「小沢元代表は『無罪』勝ち取れると思う!?」というアンケートでは758票のうち42.6%が「思う」と回答している。ただ、ヤフーニュースのコメント欄を見ると「やましい事が無いのなら証人喚問に出て堂々と述べればいい」というものがほとんどで、やはり小沢氏には厳しい人が多いようだ。