「発言の一部が切り取られて…」
また、特に「失言」とはされなかったが、「ギリギリ」の発言もあった。
9月26日の衆院予算委員会の答弁で、国家公務員の宿舎問題について安住財務相は、自身がNHKの記者時代、社宅を借りて住んでいたと説明し、「とても給料では生活できなかったからです」と述べた。その上で「(国家公務員には)多少は宿舎の便宜供与等もあってしかるべきだと思ってます」と続けた。
NHKの(被保険者)年間報酬については、平均1041万円だ、と9月28日の参院予算委で明らかにされた。ちなみに、厚労省によると平均年齢(被保険者)は40.15歳だ。民放キー局ほどではないにしても、かなりの「高給取り」なのは間違いない。
給料はNHKをはるかに下回り、社宅もなく住宅手当も出ない会社に勤めている人が相当数いる中、財務相発言に反発を感じた人は少なくなかったようだ。
安住財務相は早稲田大出身で、在学中は雄弁会に属していた。小柄だが、奔放な発言を繰り返すことから、一部マスコミから「ちびっこギャング」のニックネームをつけられている。
選挙区は被災地の宮城5区(石巻市など)。地元の民主党関係者に話をきいてみた。
当時国対委員長だった安住氏は大震災発生後、地元の市役所に泊まり込みもするなど精力的に地元情報を国政の場に伝えていたという。「こうした頑張りは報道されず、発言の一部だけが切り取られて攻撃されている」と、マスコミに対し相当に不満を持っている様子だ。
安住氏は、支持者らに気さくに接することで知られている。「その気さくさがウラ目に出て、記者に失言だと受け取られているのでは、と心配している支持者も多い」のだそうだ。
「大臣として良い仕事をすることで、『失言』の誤解を解いてほしい」