問われる「多民族国家」との整合性
ハングルは1446年に当時の李氏朝鮮第4代国王の世宗が公布。「子音字母」「母音字母」と呼ばれるパーツを組み合わせて、様々な発音を表現している。当時の朝鮮半島では漢文が主に使われており、ハングルは庶民を中心に急速に普及した。
複雑な発音でも、かなり忠実に記録できるのが特徴だが、、09年のインドネシアのケースからは、導入に向けての課題も浮上している。多民族国家のインドネシアでは、「多様性の中の統一」をスローガンに掲げ、アルファベットで表記するインドネシア語を公用語としている。そのような状況で新たな文字を採用することについては、インドネシア政府内から、
「わざわざハングルを輸入する必要はない。アルファベットで表記すれば良い」
といった声もあがったという。さらに、ハングルが公式文字として採択される際に、韓国側は韓流などの韓国文化を紹介する「韓国文化センター」を建てるなどの経済協力を申し出ている。このことから、「特別待遇」に対する他の少数民族からの嫉妬を懸念する声も根強い。