山口組組長のインタビューが大反響 「詭弁と同じ」「言い分はとても響く」…

建築予定地やご希望の地域の工務店へ一括無料資料請求

   日本最大の指定暴力団山口組の篠田建市(通称・司忍)組長(69)のインタビューを産経新聞が報じた。長文になった産経のネット配信記事には、上下2本で計1万件以上もツイッターで反応が寄せられており、大きな関心を集めている。

   暴力団排除条例が2011年10月1日、全都道府県で出そろったことを受け、産経新聞がネットでは1日と2日、新聞では2日付朝刊で伝えた。記事への関心が高い背景には、島田紳助さんが暴力団関係者との交際をめぐり芸能界を引退したことが関係しているようだ。

「今、解散すれば、うんと治安は悪くなるだろう」

   新聞の方は要約版で600字弱だが、2本のネット記事は一問一答形式で、「上」(1日配信)3600字、「下」(2日)3000字程度とたっぷり紹介している。いずれも篠田組長の写真が載っている。

   10月3日13時現在、「msn産経ニュース」サイトの「24時間総合ランキング」で、「下」が1位、「上」が2位を占めていた。上下合わせて1万件以上の「ツイート」がついており、3位の記事「不倫相手を放置死 35歳人妻、転落の軌跡」(2日配信)の45件、4位記事(同)の550件に比べ、突出して多くの人がツイッターで「つぶやいた」ことが分かる。

   一問一答の一部を引用すると、

   全国の暴力団排除条例に関連しては、「異様な時代が来たと感じている」「法を犯してなくても当局が反社会的勢力だと認定した者には制裁を科すという一種の身分政策だ」「今は(略)暴力団が対象だが、今後拡大解釈されていくだろう」との考えを示した。

   「山口組を解散する」考えはないか、との質問へは、「今、解散すれば、うんと治安は悪くなるだろう」「若い者は路頭に迷い、結局は他の組に身を寄せるか、ギャングになるしかない」と指摘。その上で「俺にできることは、これまで以上の任侠道に邁進する組織にすることだ」と語った。

   芸能界との関係については、昔は興業で関わりがあったが、現在では「芸能界から恩恵を受ける」ことや「利益供与」もないと断言。「むしろ、われわれは利用されている」として、芸能事務所などが仕事を取るために、「どこそこの組と関係があるとうたって」おり、また、「祝儀をあてにしてわれわれのところを訪ねてくる芸能人もいる」と話した。

ネット上「載せるべきではなかった」の声も

   また、インタビューの最後半部では、一連の暴力団排除キャンペーンについて、「(過去の例では)結局、警察OBの仕事が増えた。今回も似たような背景があるのではないだろうか」と疑問も呈している。

   インタビュー記事へのネット上の反応は、「暴力は嫌いだが、言い分はとても響く」「論理的だ」「服装かっこいい」(ツイッター)といった好意的なものから、「(言ってることは)やっぱり脅し」「詭弁と同じ。(産経新聞は)これは載せるべきでなかった」(はてなブックマーク)と批判的なものまで幅広く寄せられている。

   9月に「暴力団」(新潮新書)を出したノンフィクション作家でジャーナリストの溝口敦氏に、産経インタビュー(ネット版)の感想を聞いた。

   暴力団について篠田組長は、「世間になじめない人間の互助会」という趣旨の見方も示したが、溝口氏は「現実の暴力団はそうなっていない。違和感がある」と指摘。

   さらに、「『上納金なんて一切ない』という発言も信じられない」と厳しい見方を示した。ネット上では、篠田組長発言に対して「説得力がある」といった反応も少なくないが、鵜呑みにしてはいけない、というわけだ。

   一方、インタビュー記事の内容とは別に、各地の暴力団排除条例については、問題があるとの考えを示した。警察が自らの責任を棚上げし、「市民に一線にたって暴力団排除にあたれ」と言っているに等しく、「不備がある」という。

姉妹サイト