日本はワクチン後進国 「自己負担」の接種が多すぎる

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   日本のワクチン接種のあり方に対し、疑問の声が高まっている。重症化すれば被害が大きいおたふく風邪のワクチン接種が公費助成の対象でないなど、世界的に異例の体制にあるためだ。

   2011年8月13日に東京都内で開かれた日本小児科学会の国際シンポジウムでもテーマになった。厚生労働省はワクチン接種行政の見直しを迫られているようだ。

定期接種は8種類のみ

   ワクチンは、感染症を起こす病原体の毒性を弱めて事前に接種することで、体内に抗体をつくらせ、感染を予防したり、症状を緩和したりする薬。日本では予防接種法に基づき、全額公費助成される「定期接種」と、自己負担の「任意接種」があるが、定期接種はポリオ、BCG、ジフテリア、百日ぜき、破傷風、はしか、風疹(しん)、日本脳炎の8種類に限られている。これに対し、例えば米国では国の責任で接種するのはB型肝炎、おたふく風邪、水痘(水ぼうそう)など13種類に及ぶ。

   「ワクチン接種で予防できる恐ろしい感染症がなぜ任意接種のまま置かれているのか」との指摘は強い。

   まずB型肝炎。世界的にはタイなどの東南アジア諸国をはじめ170カ国以上で子供にワクチン接種が実施されている。おたふく風邪は、感染すれば男性の場合は精巣が萎縮したり、妊婦なら流産の危険性が生じたりする。海外ではワクチン接種で発症者が9割程度減少したというデータがある。水ぼうそうは、米国ではワクチン接種で入院患者が約10分の1に減ったとされる。日本では、いずれも定期接種の対象外だ。

   一方、乳幼児がかかる急性胃腸炎の要因とされるロタウイルス。重傷化した場合は、脳症を起こし、後遺症が残る恐れもある。米国では2006年から本格的なワクチン接種が始まり、乳幼児の入院患者数は約9割も減ったとされ、世界では100カ国以上がワクチン接種を導入している。しかし、日本では今夏、ようやくワクチンが承認されたというお粗末な実態だ。

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