東証と大証の統合「9月合意」見送り 「比率調整」など難航

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キリンとサントリー「破談」の先例

   その後の協議では、統合の枠組みについて大証が「東証株を大証株に株式交換し大証に統一する」を提案したのに対し、東証は「東証が大証株を株式の公開買い付け(TOB)で100%取得し完全子会社化」を提案。議論が膠着するなか、東証が再提案した「東証がTOBで大証株の3分の2(66%)を上限に取得」の線に落ち着きそうだ。大証が上場や独立性を維持できるためだ。

   7月末までに協議はここまで進展し、9月にも合意を得たい考えだった。早ければ来春の統合を目指すには、公正取引委員会の審査などを踏まえるとその辺りでの決着が望ましいとの考えからだ。

   ただ、東証は非上場で、上場企業の大証のように客観的に企業価値を計る株価がない。このため重要項目である統合比率で結論を得るのは容易でないのも実情。昨年2月に破談したキリンホールディングスとサントリーの統合交渉も、サントリーが非上場ゆえに統合比率をめぐる両者の思惑の違いがもつれたことが、まとまらなかった一因とされる。とはいえ東証、大証とも「相乗効果で世界的取引所を作る」との統合の意義は共有しており、一致点を探る努力を続ける方針だ。

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