民主党会派で活動する比例代表無所属の平山誠参院議員(59)が、地元事務所をゴルフセンター内に置いていることが分かり、憶測を呼んでいる。平山議員側は、参院支給の航空券でゴルフを楽しむ目的ではないかとの疑惑を否定しているが、なぜゴルフセンター内なのか。
この疑惑は、2011年9月28日の参院予算委員会で、自民党の世耕弘成幹事長代理が指摘して発覚した。
参院支給の航空券使用時に「振興ゴルフ」は認める
平山誠議員は、参院に届け出る地元住所として、10年2月から宮崎県内にある民主党・横峯良郎参院議員(51)の自宅の住所と近似したものにしていた。ただ、漢字1字が違うなどして、まったく架空の住所だった。世耕氏の問い合わせで26日に住所を書き換えたが、今度はそれが横峯氏主宰の「さくらゴルフアカデミー」が入った宮崎市内の宮崎空港ゴルフセンター内だったというのだ。
月に4往復できる航空クーポン券を平山氏が毎月支給されていたことから、世耕氏は、「航空券でゴルフをするためでは」と予算委で疑惑を指摘した。もしこれが本当なら、羽田―宮崎間は、普通運賃で片道3万6870円かかり、これまでに600万円近い血税が私的に使われていたことになる。
平山氏の出身は、埼玉県だ。なぜ地元住所を宮崎県に、それもゴルフセンター内に置いていたのか。
国会事務所の秘書は、取材に対し、こう説明する。
「横峯さんと懇意なため、宮崎県で地元の人を紹介してもらっていました。それ以来、月に数回、陳情を受けたり会合に出席したりするために行っています。事務所をゴルフ練習場に置いている事実はありません。ゴルフセンターは、託児所や学童クラブなどが入った複合施設だからです。その前も、横峯さんの自宅に事務所があったわけではなく、隣のスポーツ施設に事務所スペースがあったのを借りていました」
ただ、航空クーポン券を使ったときに、ゴルフをしたことは否定しなかった。
「スポーツ振興や子どもたちの育成のために、ゴルフをすることはあります。しかし、それは決して『楽しむゴルフ』ではありませんよ」
「不自然に見えるのは、否めない」
架空の住所にしていたのは、「誤記載」だったからだとした。ゴルフセンター内では、11年4月4日に平山誠氏の政治団体「ニッポンネットワーク宮崎」を設立したことを宮崎県選管に届け出ていた。このときにゴルフセンターに地元住所を変えるべきだったのに、届け出を忘れてしまったという。
センター内の事務所については、横峯良郎氏側に家賃として月1万円を支払っていると説明している。本当なら、東京都内にある平山氏の資金管理団体「ニッポンネットワーク」の政治資金収支報告書に記載されることになりそうだ。
一方、センター内スペースなどを提供していた横峯氏の国会事務所では、秘書がその理由をこう説明した。
「一緒に会合に出るほどお互いに仲がいいので、使えばいいということになったんですよ。本人は、宮崎が気に入ったんでしょう。比例代表は地元をどこにしても大丈夫ですし、法的にも問題ありません。事務所には、看板が掲げられ、電話もあり、本人もしょっちゅう行っているようですよ」
ただ、練習場などでゴルフをしていたかについては、分からないという。ゴルフセンター内に事務所を置いたことについては、「不自然に見えるのは、否めないでしょう。善意でやったことが、いただけないことになってしまいました」と釈明した。
平山誠議員は、新党日本出身で、代表の田中康夫氏が衆院選にくら替え出馬で失職したのに伴い、2009年8月に繰り上げ当選した。当時は、すでに党の総務局長を退任しており、党籍だけが残っている状態だった。その後は、民主党会派に所属して活動しており、11年9月13日には、臨時国会前に天皇陛下を携帯電話のカメラで撮影した疑惑を指摘され、誤解を招いたとして謝罪している。