「除霊」で少女死亡させた宗教団体 100年の歴史誇る中山身語正宗とは

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   熊本県の宗教施設で2011年8月、「滝行」と称して少女が水を浴びせられ窒息死した事件で、県警が少女の父親と僧侶を傷害致死容疑で逮捕した。僧侶が属すのは「中山身語正宗」という宗教団体で、全国に30万人も信者がいるのだという。

   逮捕されたのは、父親の会社員、舞鴫淳容疑者(50)と僧侶、木下和昭容疑者(56)。

全国に約350の施設、大本山は佐賀県

   報道によると、8月27日、舞鴫容疑者の中学2年生の次女、ともみさん(13)を熊本、長洲町にある宗教施設内の「お滝場」という場所で、椅子にテープなどで縛り付けた上で滝行と称して約10分間にわたって流水を浴びせるなどして翌28日に窒息死させた疑い。両容疑者は「除霊のためで暴行ではない」と容疑を否認しているという。

   中山身語正宗は、1952年に文化庁から宗教法人として認可を受けた団体。佐賀県の基山町にある瀧光徳寺が大本山で、全国に寺院96か所、布教所116か所など、計349の施設がある。08年時点で約30万人もの信者がいるのだそうだ。

   仏教の一宗派で、公式HPに教義や団体の歴史が掲載されている。

大本山は「滝行に除霊の効果はない」

   1912年に、木原松太郎(僧名:覚恵)によって立教され、約100年の歴史がある。宗祖覚恵上人は、子どもの頃から不思議な力があったのだそうで、明治の時代に「その内、戦争は空でばかりするようになる」といった予言のようなことを周囲に話していたという。

   中山身語正宗という名称の由来は、まず、本尊が中山不動尊。身語正というのは「身に正(まさ)しく如来の語(ことば)を授かる」という意味なのだそうだ。

   日々の修行を重視していて、読経やお百度参りなどと一緒に「お瀧(滝行)」もメニューとして記載されている。ただ、報道によると熱心な信者は月に10回ほど滝行を行うが、あくまで自発的に行うものだという。また、自分が天地万物から生かされていることに気付き、感謝の気持ちを養うため、多くの信者が毎週日曜の朝食を抜いて断食しているという。

   普段は余り聞くことのない宗派だが、過去の新聞記事を調べると、有名ゲームメーカーの社名も中山身語正宗の僧侶の命名だといい、昔から一定の支持はあったようだ。

   今回の事件について、大本山、瀧光徳寺は「木下容疑者は本山で修行したが、滝行で手足を縛れなどという指導はしていない。滝行に除霊の効果はない」としているという。

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