アナリストの世界は会社間移動が日常的
3部門 のうち、象徴的なのが、2010年8月に新設した国内企業分析などを担当する株式調査部だ。現在は90人程度で、1年前の20人強から大幅に増えた。9月15日現在、調査対象とするのは321銘柄で、調査対象業種は30に上り、野村ホールディングスや大和証券グループ本社に比べても遜色ない。部長についたのは、旧「日興リサーチセンター」出身で、ゴールドマン・サックス証券などで商社担当として著名だった吉田憲一郎氏だ。吉田氏のようにあちこちに散らばっていた旧日興リサーチセンター出身者が「古巣のために」と、給料が減る場合も多いと思われるにもかかわらず、数多く参集している。
もちろん、他社からの移籍は旧日興リサーチセンター出身者だけではない。アナリストの世界は会社間移動が日常的とはいえ、最近の日興による引き抜きは活発だ。
例えばこの8月に野村から33歳の若さで「チーフストラテジスト」として抜擢された阪上亮太氏。全体的な株式の投資戦略をアドバイスする「ストラテジスト」として、日本企業の魅力を世界に発信するため、自分のチームも立ち上げる。
経済分析でも、大和総研から牧野潤一氏がチーフエコノミストに、シニアエコノミストにも大和総研から渡辺浩志氏がついた。