毎年の猛暑で乳牛が減った
じつは、国内の「バター不足」は2007年ごろから恒常的になってきている。スーパーなどでも特売品からはずされたり、一人あたりの購入本数を制限したり、在庫切れによる販売中止が生じた。また、食塩不使用のバターは洋菓子に使われているケースが多く、ケーキが値上げされるなどの影響もあった。
原因は、原材料となる生乳の生産量の減少。これは2006年から生産調整で乳牛が削減しているのに加えて、猛暑によって生産が減少したためだ。乳牛は夏に受精して翌春に出産。その後搾乳がはじまるが、猛暑で牛の体調がすぐれないことや、受精時期が遅れて搾乳できる牛の頭数が減ってしまうことがある。
つまり、今年の生乳不足は昨夏の猛暑が影響したもの。これに原発事故が追い討ちをかけたわけだ。