豪雨の場合は、地盤確認を慎重にせざるを得ない
運転再開のタイミングについて鉄道各社に尋ねたところ、やはり風・雨が各社の基準値を下回ったことを確認してからだったという。
だがもちろん、「風が止んだ」「雨が止んだ」といって、すぐに運転が再開されるわけではない。たとえば東急電鉄では再開前に徐行で電車の試運転を行い、線路の状態などをチェック、飛来物などがないことを確かめた上で運転を再開したという。京王電鉄も、再開直後は時速15キロでの徐行運転を行い、線路の安全を確認しながら徐々に通常の運行に戻していったとのことだった。
また風以上に慎重な確認が求められるのが、雨による影響だという。JR東日本によれば、豪雨が原因で電車が止まった場合は線路の地盤が緩んでいる可能性があるので、特に慎重を期して確認を行うそうだ。
運転再開してからも、つっかえた電車の処理、また事故防止のため速度を落とさなければならない、などの事情があり、ダイヤの復旧は一朝一夕にはいかない。とくに今回のように全路線が運休した場合の再開には、どうしても一定の時間がかかるという。
またJR東日本の広報担当者は「一概には言えないが」としつつ、
「運転見合わせを予期して帰宅を遅らせた人が、遅い時間に集中して帰宅したことも、混雑が長引いたように見えた一因ではないか」
と話した。