円最高値の背後にある見方 米国、欧州より「日本はまだまし」

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日本の場合、経済政策に関する限り与野党対立ない

   対する日本。財政は、確かに赤字が国内総生産(GDP)の2倍近くに達する世界最悪レベルで、国債も格付けも引き下げられているが、一向に長期金利 も上がらず、円高が進む。国内政治的には、米国と同様の与野党ねじれ国会で成立間もない野田佳彦内閣の政権運営の行方は不透明だが、こと経済政策に関する限り、震災からの復興のため公共投資を進めることに、与野党対立はなく、策定中の第3次補正予算案の早期成立は確実。しかも、財政の健全化のための増税に、国民の多数は基本的に賛成している。竹森俊平慶応大教授は「欧米でみられる政治の閉塞が日本には存在しない」(8 月24日付「日経新聞」)と指摘している。

   こう考えると、現在の円高のトレンドが大きく変わることは、当面、考えにくく、むしろ一段と円高が進む可能性が高いが、日本は、震災復興という意味のある公共投資を、国内資金(増税)で賄って進めるという、内需型成長が可能ということになる。竹森教授も、為替レートなど「他力」 より、復興計画の着実な実行という「自力」が「日本経済の行方を決めるという認識が何より重要だ」(同)と強調している。

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