「『脱原発』叫んでるだけじゃだめ」 猪瀬・都副知事、「自前発電所」は本気だ

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現状放置では、メーカー工場が海外に?

   都は、完成後の新発電所の電力供給先として都営地下鉄など都の施設を想定しつつ、あまった電力の産業向け販売なども視野に入れている。「託送料問題」は別として、現行の電気料金より安くなるようどう工夫ができるか、も検討する。

   都の天然ガス発電所計画を受け今後、どんな影響が出てくるのだろうか。

   都に刺激され、民間や自治体が発電事業に相次ぎ進出し、規制緩和や電力自由化が一気に進む可能性も考えられる。

   一方で「自然エネルギー」の風力や太陽光発電に熱い視線を送っていた自治体が、「より現実的」な天然ガスに舵を切ることも考えられる。

   また、仮に「原発1基分」の100万キロワット級火力発電所が各地に相次ぎ建設されるようなことになれば、原発が必要かどうかの議論が再燃し、原発再稼働を容認している野田政権の姿勢に影響を及ぼすこともあり得るかもしれない。

   猪瀬副知事は、電力見通しが不透明な現状を放置していては、日本メーカーが海外に工場を移すかもしれないと指摘し、都の発電所計画について「企業は生き残れます、東京にいてください」というメッセージの意味もあると解説している。

   一方、ある電力会社の関係者は、リスク分散などの意味からこれまで進められてきた「ベスト・ミックス」の模索を今後も国全体で考える必要があるとして、「天然ガスだけを増やせば良いということにはならないでしょう」と話した。

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