自宅のある関西球団が虎視眈々?
梨田監督の辞め時は「最高のタイミング」といっていい。その理由は、また監督要請の話が必ず来るからである。日本ハム監督になってから08年3位、09年優勝、10年4位、今年は現在2位。すべて勝率5割をマークしており、「優れた監督」の一人。欲しい球団は多いだろう。
梨田監督は近鉄時代、球界を代表する強肩のスター捕手だった。体をグニャグニャしながらの打撃は「コンニャク打法」と呼ばれた。そしてハンサムな顔立ち。NHK解説者のときは芸能人顔負けの人気だった。
自宅は関西である。50代半ばを過ぎての札幌住まいはきつかったと思う。野球界にとって必要な指導者だけに今後の動きが気になる。予想されるのは阪神やオリックスの誘いだ。
阪神の真弓明信監督は今年の本社株主総会で手腕を疑問視する異例の声が上がった。クライマックスシリーズ進出を逃すと交代もありうる。阪神はこれまで、野村克也、星野仙一を、それぞれがヤクルト、中日を退いた直後に監督に招いている。
オリックスは近鉄が球団経営から撤退したあと、近鉄選手を獲得している。チームのニックネームは近鉄のバファローズを使用。梨田監督との接点は少なくない。
間違いなく「最も高く売れる監督」なのである。辞める監督が注目を浴びてメディアに追いかけられることになる。(敬称略 スポーツジャーナリスト・菅谷 齊)