政府はIAEAの評価も仰ぐ方針
関電はすでに美浜1号機など原発5基で、また四国電力も伊方原発3号機で一次評価を進めており、9月中の報告する意向だ。東京電力は今月から柏崎刈羽原発の1号機と7号機で評価を開始した。
東電は1次評価について「地震や津波等を起因として、重大な損傷に至る複数のシナリオを特定して安全の余裕を評価し、燃料損傷を回避するための措置と効果を提示する」としている。複数の異なる地震や津波を想定し、対策を講じるというものだ。
電力各社が政府に報告書を提出後、保安院と原子力安全委員会が妥当性を評価するわけだが、野田内閣は政府内だけでなく、国際原子力機関(IAEA)の再評価を仰ぐ方針を示している。
政府が再稼働の可否を判断するには、電力会社が1次評価の結果を提出後、2~3カ月はかかると見られており、IAEAの再評価が加われば、さらに時間を要すことになる。政府の最終判断を地元自治体が容認するかなど不確定要素が多く、原発再稼働の見通しは依然として不透明なままだ。