孫正義ソフトバンク社長がぶち上げたメガソーラー構想で、北海道に建設する実験施設が10分の1の規模に縮小する方向であることが分かった。構想が尻すぼみではないかとの批判が出ているが、ソフトバンク側は否定している。
規模縮小については、北海道の地元紙で2011年9月8日に報じられた。
十勝農協連「規模縮小の相談あり」
ソフトバンク側は、構想当初、帯広市の帯広競馬場に年内に作るという太陽光発電の実験施設を1メガワット規模にしたいとうたっていた。ところが、北海道新聞によると、コスト面を考慮して規模を縮小し、その10分の1に当たる100キロワットほどにすることにしたというのだ。
また、十勝毎日新聞も、規模縮小を報じ、20~100キロワットほどの施設になるとした。面積も、2ヘクタールの当初予定から、10分の1ほどに減らされるという。競馬場を所有する十勝農協連側の「期待が大きかったので残念だ」というコメントも紹介している。
このニュースが出ると、ネット上では、ソフトバンク側の姿勢に批判が相次いだ。はてなブックマークでは、「大きく宣伝して、小さくごめんなさい。いつもここは同じ」「お金の為じゃないんですとか言ってたなー孫正義」といったコメントが支持を集めている。
メガソーラー実験施設の規模縮小は、本当なのか。
十勝農協連では、取材に対し、ソフトバンクとの協議の中で10分の1に規模を縮小したいという意向が伝えられていることは事実だと認めた。ただ、その理由などについては、「こちらでは答えられませんので、帯広市に確認して下さい」と言うのみだった。
菅直人首相退陣による変化は?
ところが、帯広市でも、口は固く、担当者が「いろんな協議はしていますが、信頼関係もありますし、混乱してはいけませんので、うちからはコメントできません」と話した。
規模縮小について、ソフトバンクの広報室では、こう説明する。
「もともと1メガワットと決まっていたわけではなく、コストなども考えながら、引き続き検討しているということです。100キロワットにするとも、まだ決まっていません」
孫正義社長は、構想に当たって、国内10か所以上で、1か所80億円もかかるとされる平均20メガワット級の発電所を作ると宣言していた。こうした当初構想は、孫社長とタッグを組んでいた菅直人首相が退陣したことなどで変化が生じてしまったことはないのか。
この点についても、ソフトバンク広報室では、否定した。
「構想を下方修正したようなことはありません。20メガワットは、あくまでも一例であって、それより小さいところも大きいところもある可能性はあります。尻すぼみなんてことはないですよ」