3か月で遅刻を49回もした群馬県職員が減給処分を不服として県を提訴したことに、疑問の声が相次いでいる。むしろ減給処分では甘すぎるぐらいだという指摘もあるようだ。
提訴した東部県民局の男性職員(38)は、2010年3月8日~6月14日にかけて、1~11分の遅刻を繰り返していた。これに対し、県は8月20日、減給1割を1か月間行う懲戒処分にしている。
「むしろ減給処分では甘すぎる」
群馬県人事課によると、職員は、これを不服として、11年8月16日付で、処分の取り消しと慰謝料140万円などを県に求める訴訟を前橋地裁に起こした。減給処分になったのは、計4時間強の遅刻に対しては相当でなく、違法で無効だと主張している。県には、9月9日に訴状が届いているという。
職員提訴のニュースが14日に流れると、2ちゃんねるで次々にスレッドが立つなど、ネット上では、疑問の声が相次いだ。
「普通クビだろ」「公僕の資格無し」…
短時間とはいえ、3か月の間、ほとんど毎日のように遅刻していた計算になり、そもそも県の処分が甘すぎるというわけだ。
人事課によると、県の指針で、遅刻の繰り返しは、最も軽い懲戒処分の戒告に当たる。しかし、職員は長期にわたって遅刻があまりに多く、上司の注意にも従わなかったなどとして、1段階重い減給にした。1割1か月の減給は、その中で最も軽いという。
この処分に留めたことについて、人事課では、「民間ならクビという考え方もあるようですが、国家公務員の基準に準拠しており、個別の動機や対応の内容を見て決めたということです」と言っている。
総務省の公務員課によると、人事院の基準では、遅刻・早退の繰り返しは戒告とし、内容によっては処分を重くできるとなっている。