介護の思いを歌に託して 東京・国立で「百人一首」展

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   高齢になり、体が思うように動かなくなる。どうしても家族や施設での介護が必要になるが、介護はするほうもされるほうも大変だ。その介護のつらさ、悲しさ、優しい思い、そして笑い、などを詠んだ「介護短歌」が結構、盛んなのだという。2011年9月14日から東京都国立市のNHK学園ロビーで開かれている「介護百人一首パネル展」をのぞいてみた。

   NHK教育テレビ「福祉ネットワーク」では2004年から介護短歌を紹介してきた。2007年からは作品を公募、毎年「百首」を選んでいる。5回目の2011年分は全国から8332首が寄せられ、2月に発表された。パネル展は100 人の入選作品に短文の解説や思い思いの写真が添えられている。

   介護する側の歌が多い。

「不慣れなる清拭(せいしき)終えし我耳にすみませんねと妻はか細く」
「真夜中のデュエット曲はフランクの午前三時よオムツ替えつつ」
「『みなボケてわしゃーどうすりゃーええかいなー』ばば様いつも自分が正常」

など、その情景が浮かんでくる。

「本箱に介護日誌の増えゆきて千辛万苦の自分史となる」
「鬼嫁は私だけではなかったと胸撫で下ろす介護者の会」

   介護される側からは、

「『年寄は生きてるだけで為になる』主治医の言葉に卒寿を生きる」
「介護され次の世代を思う時あるかも知れぬロボット介護」

などの作品が目を引いた。

   パネル展は9月25日まで。入場無料。なお、NHKは来年分の介護短歌を10月4日必着で募集している。

(医療ジャーナリスト・田辺功)

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