「日本中枢の崩壊」などの著書でも知られる経済産業省の改革派官僚、古賀茂明氏(56歳、大臣官房付)が2011年9月14日、12日に就任したばかりの枝野幸男・経産相に「私に仕事を下さるのか」と打診する電子メールを送った。
古賀氏が、「勤務時間前」の9月15日朝、情報番組「モーニングバード!」(テレビ朝日系)に出演して明らかにした。古賀氏は同じメールで、「仕事が与えられなければ、辞めるしかない」との考えも伝えている。まだ回答はないという。
鉢呂氏のときは「辞職の手続きを」
古賀氏は、本来は異動待機ポストである「官房付」に09年末から異例の長期間、「塩漬け」にされている状態だ。具体的な仕事は、ほとんど与えられていないという。公務員制度改革に熱心な古賀氏に対し、主流派官僚らが強く反発しているため、とみられている。
古賀氏は9月7日、鉢呂吉雄・前経産相にも同様の趣旨のメールを送っていた。メール送付後ほどなく、同省の「事務方」から辞職の手続きを進めるよう言われたという。「(鉢呂)大臣がそう言っています」との説明だったそうだ。
ところが、その鉢呂氏は、「死の街」発言などの責任を取り、9月10日夜に辞任会見を開いた。このため、古賀氏は、人事権者である新大臣に改めて自身の仕事の有無について質問した形だ。
古賀氏をめぐっては、橋下徹・大阪府知事が代表を務める地域政党、大阪維新の会が、府知事選候補として接触していた。しかし、9月9日、維新の会幹部が、古賀氏の擁立断念の考えを示した。