「韓国からのアクセス遮断」報道で大騒ぎ ユーチューブ側「そんな事実はない」

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   ユーチューブが韓国からのアクセスを遮断したと一部ネットメディアが報じ、ネット上で騒ぎになっている。しかし、記事はすでに削除され、ユーチューブ側も事実関係を否定している。

   騒ぎを巻き起こしたのは、サーチナの2011年9月12日配信記事だ。

「K-POP再生水増しに対する処置」

   「ユーチューブが韓国を遮断 K-POP宣伝ツールに使った報い」。記事には、こんな見出しが付いていた。

   それによると、ユーチューブが韓国からのアクセス遮断を発表し、韓国ユーザーは動画を投稿することができなくなった。また、再生も規制され、動画を見ても再生数にカウントされなくなったという。

   その理由として、サーチナの記事では、韓国の国家ブランド委員会がK-POP再生を水増ししている行為に対し、ユーチューブ側が処置をしたと言っている。そして、「韓国ではツールを使い複数のアカウントを切り替え再生数を捏造している」と断じていた。

   この記事が出ると、ネット上では、その真偽を巡って、議論が沸騰した。2ちゃんねるでは、祭り騒ぎになる一方で、韓国でも動画投稿が普通にできたという書き込みも相次いでいる。「切込隊長」で知られる山本一郎さんも、そのブログで、ソウルでは投稿も閲覧もできていると記事を疑問視した。

   K-POPを巡っては、コメンテーターの木村太郎さんが、2月6日放送のフジテレビ系情報番組で「広告会社に言って、ユーチューブなどに載っている動画の再生回数を増やしている」と発言した経緯はある。しかし、その後、国家ブランド委員会の事務官が公式に否定したのを受けて、番組が謝罪する事態になっている。

とすると、記事は、誤報という可能性が強いのか。

「うわさや憶測はコメントできない」

   アクセス遮断について、ユーチューブ運営元グーグルの日本法人では、広報担当者が「そのような発表をした事実はありません」と明確に否定した。

   韓国の再生水増しの指摘については、「うわさや憶測については、コメントできません」と言っている。

   韓国では、ネット実名制を2009年4月に導入したときに、ユーチューブ側にユーザーの本人確認を要請している。これを受けて、ユーチューブ側は、確認できないユーザーに対し、動画の閲覧はできるものの、投稿やコメントを制限する処置を取っていた。サーチナの記事は、内容が同じではないが、このときのことを指しているのだろうか。

   K-POPについて、記事では、韓流アイドルグループ「少女時代」の動画再生数が、ブリトニー・スピアーズやアヴリル・ラヴィーンといった世界的トップアーティストより上になっていることを水増し例に挙げている。確かに、こうした再生数の多さには疑問も相次いでおり、何か事実関係が判明したことでもあったのか。

   ただ、記事はすでに削除されており、何らかの手違いがあった可能性がある。サーチナのメディア事業部では、取材に対し、担当者が不在で確認が取れず、すぐに答えようがないとのことだった。

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