「震災ストレス」で持病悪化 茨城男性「災害関連死」と認定

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   2011年3月下旬に病死した茨城県鉾田市の10代男性について、茨城県鉾田市は東日本大震災によるストレスが原因のいわゆる「災害関連死」だったと認定した。茨城県内では初めての認定となる。

   「災害関連死」は、災害の直接的な被害を受けなくとも、その後の避難生活などが原因で体調を悪化させて亡くなった人に適用される。明確な基準はないものの、市町村によって認められた場合は通常の死者と同様、災害弔慰金などの対象となる。

震災の恐怖で不眠状態に

   男性は茨城県内の外出先で震災に遭遇、7時間近くかけて自宅に戻ったものの、地震による恐怖、ストレスから極度の不眠状態に陥った。男性にはもともと内蔵に持病があり、このことによって病状が悪化、3月下旬に亡くなった。

   遺族からの問い合わせを受けた市は8月下旬、医師や保健所による支給審査委員会で審査し、震災のストレスが病死の原因になったと認めた。

   「災害弔慰金の支給等に関する法律」では、地震、津波などの天災で亡くなった人の遺族に対し、「生計維持者」の場合が500万円、それ以外の場合は250万円を支給すると定められており、男性の場合は後者が適用される。

   従来、天災の直接の被害者のみが対象だったが、1995年の阪神大震災以降、「関連死」についても、審査委員会で認められた場合は支給されるようになったという。

   茨城県では今回の震災で24人の死者が確認されており、災害弔慰金が21件支給されているが、震災による直接の死者ではない「災害関連死」が認められたのは、今回の鉾田市のケースが初めてだという。ただし北茨城市などでも同様の問い合わせが寄せられており、今後審査が行われる。

   なお今回の震災での災害弔慰金の支給は、宮城県で6398件、岩手県で1972件、福島県で1125件に上る。ただし、3県とも「災害関連死」としての件数は把握していない、という。

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