中小企業といわれても、「抵抗はありません」
ところで、一般に「中小企業」というと会社の規模が小さく、未上場といったイメージがある。中小企業基本法では、たとえば製造業は「資本金または出資金が3億円以下、あるいは従業員数が300人以下」であれば中小企業と定義している。
一方、東京証券取引所の上場基準(東証1部)によると、株主数2200人以上、時価総額500億円以上、流通株式数の比率35%以上、純資産額10億円以上などの基準を満たせば上場できる。つまり、「中小企業だから上場できない」という基準はなく、たとえば従業員100人の会社であっても「上場は可能です」(東証)という。
自転車の「あさひ」も東証1部に上場している。資本金は21億円。純資産121億円(2011年2月期)というのだから、上場基準はもちろん満たしているし、従業員数も「300人以下」ではないから、法に照らせば「中小企業」ではないことになる。
日本一の「中小企業」と言われることに、「あさひ」は「自転車を安心・安全に乗ってもらうとの思いでやってきた結果の売上げですから、そう(中小企業と)言われたとしても抵抗はありません」と話している。