講談社の広報室は「詭弁です」
出版社側は、自炊代行ドットコムの公開回答について、どのように見ているのか。
講談社などでつくる出版7社連絡会では2011年9月9日、公開回答を受けて対応を協議し、次のような公式コメントを発表した。
「著作権者の許諾のない、いわゆる自炊代行行為は、すべて違法です。これは、今回質問書を提出した作家、漫画家122人に限るものではありません」
つまり、どんな手段を講じようが、許諾がない以上は、あらゆる自炊代行は直ちに止めるべきだということだ。これは、作家らの署名・捺印を求めるべくもないとしている。
この立場から、複製ではなく交換だとの主張について、連絡会の窓口になっている講談社の広報室では、「詭弁です」と言い切る。それは、原本を破棄しようとも、複製には変わらないからだという。
手元の本は自炊するしか電子化できないことについては、広報室では、「業者に頼らずに自分でする分には構いません」と言う。代行業者そのものについては、電子化された本にコピーガードが入るシステムがない以上は、たとえ利益還元があっても認められないと言っている。
電子化を巡っては、ネット上で、122人のうちの一部に電子書籍を出していなかったりする作家らがいるとの指摘がある。講談社では、この点について認めながらも、現行書籍2万点のうち1万5000点ほどは電子化しており、12年夏にはほぼすべてで電子化するなどと説明している。